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米Exhibitor Relations社
ジャンル:アクション、アドベンチャー、ドラマ
キャスト:ナオミ・ワッツ、ジャック・ブラック、エイドリアン・ブロディ、アンディ・サーキス 他
監督:ピーター・ジャクソン
脚本:ピーター・ジャクソン 他
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ
全米公開:2005年12月14日/日本公開:2005年12月17日
上映時間:187分
MPAAレイティング:PG-13
1933年、大恐慌時代のアメリカ。債権者たちに見放された映画監督カール・デナム(ブラック)は、最後の賭けとして未だかつてない冒険映画を撮影するために、スマトラ島近くにある謎につつまれたドクロ島へと向かった。島に辿り着いた一行は、遺跡や巨大建物の中で撮影を進めていく。そんなさなか、不気味な原住民たちに襲撃され、同伴した美人女優アン・ダロウ(ワッツ)が連れ去られてしまった。そこで救助に向かった仲間たちがジャングルの中で目にしたものは、、、
1933年に制作された映画『キング・コング』のリメイク版。映画史に残る名作だけあって、本作には高度な演出とメッセージ性が求められた。しかし、そんな心配をよそに『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督は、オリジナルと共に永遠に語り継がれるもう1つの名作を作り上げた。
『ロード~』からさらに進化した最新のテクノロジーを使ってのド迫力映像。デヴィッド・リンチ監督の『マルホランド・ドライブ(2001)』で高い評価を受けたナオミ・ワッツや、『戦場のピアニスト(2002)』でオスカー俳優となったエイドリアン・ブロディなど演技派ぞろいで見応えあり。そして何よりも、観客、特に女性客を惚れに惚れさせてしまうコングの“男らしさ”を見事に作り上げた演出が圧巻。
ヒロインのアンを恐竜から守るために、負傷しながらも戦い抜くコング。この辺りから女性客はじわじわとコングに魅かれはじめる。コングが捕らわれたとき、一緒に心を痛め、NYの町で必死にアンを探すコングの姿を見て心を打たれる。そしてついにコングとアンが心を通わせることができたとき、アンと共に幸せを噛み締める。クライマックスとなるラストの9分間、とうとうアンと一体化した観客は「撃たないで!」と叫び、死にゆくコングに涙を流す。そしてゴリラ、しかも怪獣に涙する自分に気付き、ハッと我に返るのだ。
惚れた女を命がけで守り抜く不死身の男。いわゆる古典的なモテモテ男の要素を持ち合わせているコングだが、ここでもう少しコングの男らしさを分析してみる。同じくアンに惚れたヒーロー役の脚本家ジャック・ドリコル(ブロディ)もコングに負けじと、アンを救出するために一人で立ち向かっていく。コングに臆することなく勇敢に戦い、そしてドラマチックにアンを救い出す。彼も不死身と言ってよいだろう。さらにハンサムだし、知的だし、長身だし… 条件的には申し分ない。しかし、ジャックには女性をドキドキさせる何かが欠けている。コングにあってジャックにないもの。それは、毛深さ、獣顔、筋肉質。
この3点がモテ条件だとは言わないが、少なくとも命がけで女性を守る不死身の男。しかもワイルドというキャラを演出するには、この3点がポイントなのかもしれない。さらに、ハンサムで知的なキャラよりも嫌味がない分、観客側は男女問わず親近感を持って観ることができる。それが証拠にコング同様、女性客を虜にした『タイタニック』のディカプリオは、ローズを命がけで守り、死んでいったにもかかわらず男性軍には受けが悪かった。ディカプリオは毛深くもなければ筋肉質でもない。ましてや獣顔とは程遠い。そういった意味で、本作品は真実の愛や人間のおろかさをメッセージとして訴えているだけではなく、“真の男の魅力とは何か?“ と、今の時代の私たちに問いかけている。そして私たちはゴリラからその答えを教えてもらうのだ。
評論家の評価:A-
観客の評価:A-
筆者の評価:A-
日本でのヒット性:A
文:佐藤 香