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北米映画興行ランキング(12月2日〜12月4日)

順位 前週 タイトル(配給会社)
邦題
3日間の
興行収入
1 1 Harry Potter and the Goblet of Fire (Warner Bros. Pictures Distribution)
ハリー・ポッターと炎のゴブレット
2050万ドル
2 - Aeon Flux (Paramount Pictures)
イオン・フラックス
1310万ドル
3 2 Walk the Line (20th Century Fox, Sony Pictures Releasing)
ウォーク・ザ・ライン/君につづく道
1000万ドル
4 3 Yours, Mine & Ours (MGM Distribution Company, Paramount Pictures)
Yours, Mine & Ours
840万ドル
5 6 Just Friends (New Line Cinema)
Just Friends
590万ドル
6 7 Pride & Prejudice (United International Pictures, Focus Features)
プライドと偏見
460万ドル
7 5 Rent (Sony Pictures Releasing)
Rent
460万ドル
8 4 Chicken Little (Buena Vista Pictures Distribution)
チキン・リトル
450万ドル
9 8 Derailed (The Weinstein Company)
Derailed
240万ドル
10 9 In The Mix (Lions Gate Films)
In The Mix
190万ドル

米Exhibitor Relations社

 

今週リリースの注目作品

『AEON FLUX/イーオン・フラックス(原題)』

ジャンル:アクション、アドヴェンチャー、SF、ファンタジー
キャスト:シャーリーズ・セロン、フランシス・マクドーマンド、マートン・ソーカス
監督:カリン・クサマ
キャラクター・デザイン:ピーター・チョン
配給:パラマウント・ピクチャーズ
全米公開:2005年12月2日/日本公開:2006年未明
上映時間:93分
MPAAレイティング:PG-13

あらすじ:

今から400年後、地上の生命の大半はウィルスにより死滅し、一部の生き延びた者たちは、君主トレバー・グッドチャイルド(ソーカス)が統治する隔離された都市ブレーニャで暮らしていた。一方アンダーグラウンドでは、首領ハンドラー(マクドーマンド)率いる反政府組織モニカンが、圧制をしく管理社会に対抗していた。最愛の妹を殺害されたモニカンの刺客イーオン・フラックス(セロン)は、グッドチャイルド暗殺の命を受けて復讐心に燃えるが、やがて体制の影に潜む驚愕の事実を知ることに・・・

解説:

1991年MTVのアニメ・キャラとして誕生したイーオン・フラックスを、デビュー作『ガールファイト(2000)』がインディーズ系で評価されたカリン・クサマ監督を起用し映画化。ヒロイン役には、『モンスター(2003)』で実在のシリアル・キラーを鬼気迫る演技で再現し、2004年アカデミー主演女優賞を獲得したシャーリーズ・セロン。おまけに『ファーゴ(1996)』でオスカーを獲得した演技派女優フランシス・マクドーマンドも共演・・・謳い文句としてはそんなところだ。

アンジェリーナ・ジョリーのヒット作『トゥームレイダー(2001)』しかり、ハル・ベリーの失敗作『キャットウーマン(2004)』しかり、オスカー女優転じてアクション・ヒロインという企画は諸刃の剣といえる。セロンには、ジョリーのタラコ唇ほどインパクトもなく、ベリーのチョコレート肌なみのエロさもない。『ミニミニ大作戦(2003)』のヒロイン役でアクション映画の実績はあるが、主役を張った際の集客力は未知数だ。さらには評論家への試写なしでいきなり公開・・・見せられないほど出来が悪い時にありがちな兆候である。

そして公開。案の定、「つじつまがあわない」「主役に説得力がない」「今年最低の出来」「F(=不可)」と、評論家陣の雑音が多々聞こえてくる。他にこれといった初公開作品がなかったにもかかわらず、公開3週目の『ハリー・ポッター』新作に遥かに及ばない興行成績第2位に甘んじる。確かに仕上がりはチープで、失敗作と見る意見もごもっともだ。しかし、SFアクション作品が『スパイダーマン』や『マトリックス』で贅沢の頂点を極めてしまった以上、今さら何を期待するのだと反論したい。むしろ本作『イーオン~』には、いい意味で開き直ったB級映画の風格さえあるのだ。

『イーオン~』の未来世界は、植物と自然光をふんだんに生かし、まるでどこかの万博会場のごとく開放的。SF的未来=ダークで退廃という『ブレードーランナー』以来の紋切り型をほどよく廃している。なぜかサクラ吹雪(?)の庭園におけるSFらしからぬ戦闘シーンも、思いのほか幻想的で美しい。メカニックを作りこみ過ぎずロケーションの妙で見せる未来感は、ゴダールの『アルファヴィル(1965)』あるいは円谷プロの『ウルトラセブン(1967~68、テレビ・シリーズ)』にさえ通じるドライな趣がある。いわんや変幻自在の女優セロンが、サイボーグチックなヒロインになりきった(そして撮影中に全治1ヶ月の負傷までした)役者魂にも好感が持てる。これは決して駄作ではない。いずれ評価されるであろう、愛すべきカルト・ムービーなのです。

評論家の評価:D+
観客の評価:C+
筆者の評価:B
日本でのヒット性:D

ただし400年後にリバイバル大ヒット。

文:森マサフミ