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北米映画興行ランキング(11月18日〜11月20日)

順位 前週 タイトル(配給会社)
邦題
3日間の
興行収入
1 - Harry Potter and the Goblet of Fire (Warner Bros. Pictures Distribution)
ハリー・ポッターと炎のゴブレット
1億0140万ドル
2 - Walk the Line (20th Century Fox, Sony Pictures Releasing)
Walk the Line
2240万ドル
3 1 Chicken Little (Buena Vista Pictures Distribution)
チキン・リトル
1480万ドル
4 3 Derailed (The Weinstein Company)
Derailed
650万ドル
5 2 Zathura (Sony Pictures Releasing)
Zathura
510万ドル
6 5 Jarhead (Universal Pictures Distribution)
Jarhead
480万ドル
7 4 Get Rich or Die Tryin' (Paramount Pictures)
Get Rich or Die Tryin'
440万ドル
8 6 Saw II (Lions Gate Releasing)
ソウ2
390万ドル
9 7 The Legend of Zorro (Sony Pictures Releasing)
The Legend of Zorro
230万ドル
10 10 Pride & Prejudice (United International Pictures, Focus Features)
Pride & Prejudice
210万ドル

米Exhibitor Relations社

 

今週リリースの注目作品

『Grizzly man』

ジャンル:ドキュメンタリー
キャスト:ティモシー・トレッドウェル、ヴェルナー・ヘルツォーク
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
配給:ライオンズゲート
全米公開:2005年8月12日/日本公開:未定
上映時間:103分
MPAAレイティング:R

あらすじ:

2003年10月、グリズリーを愛したアマチュア動物研究家、ティモシー・トレッドウェル(46)と彼の恋人(37)が、アラスカのカトマイでグリズリーに襲われて亡くなった。その場所には、クマに襲われたときにカメラのキャップを外し忘れた映像のない“声”だけが録音されたテープと、彼の腕時計が残されていた。アラスカでグリズリーと生活を共にして13年。彼は至近距離でグリズリーと彼自身をビデオに納めることで、アラスカのグリズリー保護を訴え続けてきた。本作は、トレッドウェル自ら撮影したこれらの映像をもとに、ドイツのヘルツォーク監督によって作られたドキュメンタリー映画。サンダンス映画祭にも出品され受賞を果たしている。

解説:

8月の公開初週、本作は全米でわずか29の劇場でしか上映されず、待つこと2ヵ月半。ようやく私の住む小さな町でも上映されることになった。アラスカの大自然と一人のグリズリー保護活動家の葛藤を描いたドキュメンタリーということで、評論家から高い評価を得ている作品だ。

山に入る人、岩に取り付く人。危険を承知でそれらにのめり込む人たちは「死」を背負うことで「生」を確認する。クマの聖域に魅了されたトレッドウェルもその一人だろう。

本作は、ティモシー・トレッドウェルが13年間にわたってアラスカで撮影した映像と、ヘルツォーク監督によるトレッドウェルの友人へのインタビューをもとに、彼の往時を回顧していく。中流階級出身、奨学金で大学に入ったもののドロップ・アウト。アルコールに溺れ、過去を清算するために俳優をめざすが、挫折。そしてそれを機ににグリズリーの世界へとのめり込んでいく。

しかしヘルツォーク監督はトレッドウェルの人となりよりも、例のテープによって観客に恐怖心と好奇心を与えることに、より焦点を合わせたように思われる。トレッドウェルと彼の恋人、エイミーがクマに襲われたとき、クマを撮影しようとビデオを用意していたがレンズのキャップをはずし忘れ、二人がクマと格闘している音声だけが録音されているテープだ。作品内では、彼らを実際に検死した検死官が、作品とは関係ない白い布で覆われた遺体の横でテープの詳細をおどろおどろしく語っている。またヘルツォーク監督は、トレッドウェルの元恋人の前でヘッドホーンでテープを聴き、その感想を彼女に伝えている。ところが、実際にその音声が作品内で流されることはない。我々はこれらを聞いた人々の反応からその生々しさを想像するのみである。果たしてこうした執拗なまでの演出が必要だったのだろうか。

ヘルツォーク監督がトレッドウェルの悲劇を正面に据えたかったとすればそれは間違いだ。なぜなら本当の悲劇は、巻き添えを食ったエイミーの死にほかならないからだ。しかし彼女の家族が取材拒否したため、作品内では彼女のことはほとんど紹介されていない。恐らくこのテープをもとに作品が構成されたのだろうが、二人の死が納められたテープからトレッドウェルだけを描写するのは、あまりにもエイミーが不憫でならない。しかし、監督が求めた恐怖心と好奇心はお腹一杯になるほど味わうことができた。良い意味でも悪い意味でも、所詮ドキュメンタリーは監督の恣意によるものでしかないのだろう。

評論家の評価:A-
観客の評価:B-
筆者の評価:B-
日本でのヒット性:B-

文:佐藤 香