|
米Exhibitor Relations社
ジャンル:コメディー、ロマンス
キャスト:オーランド・ブルーム、キルステン・ダンスト、スーザン・サランドン
監督、脚本:キャメロン・クロウ
配給:パラマウント・ピクチャーズ
全米公開:2005年10月14日/日本公開:2005年11月
上映時間:123分
MPAAレイティング:PG-13
オレゴンの大手シューズ・メーカーに勤めるドリュー(ブルーム)は、デザインを担当したスニーカーが大はずれで会社に大損害を与えたことから解雇され、ガールフレンドにも捨てられる。失望のあまり「切腹」の準備をするドリューのもとへ、父親が死んだとの知らせが入り、そのなきがらを引き取りに、急きょ親戚一同が待つケンタッキー州の小さな街エリザベスタウンへ向かうことに。突然人生の岐路に立たされ呆然とするドリューは、行きのフライト中、妙に人懐っこい客室乗務員クレア(ダンスト)に逆ナンされ、次第に惹かれていく・・・
音楽ジャーナリスト出身、『セイ・エニシング(1989)』『あの頃ペニー・レイン(2000)』とユーモアあふれる青春ドラマに定評のあるキャメロン・クロウ監督が、賛否両論分かれた『バニラ・スカイ(2001)』以来放つ久々の新作だ。主演は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでおなじみイケメン男優オーランド・ブルームと、『スパイダーマン』のヒロインでおなじみブスカワイイ系女優キルステン・ダンスト。このビッグな背景を考えればかなりの期待作だ。アクション大作でもないのに日本公開が11月と早いのも、尋常ではない。にもかかわらず、残念ながら本作の評価は賛否否否両論ぐらいに分かれてしまった。
問題は、オーランド・ブルームが果たして主役をはるだけのオーラがあるかということだ。5月にリリースの主演作『キングダム・オブ・ヘブン』は、米国において、1億3千万ドルの制作費に対して5千万ドル弱の興行収入で失敗作に終わった。そこで指摘されたのがブルームのキャラの弱さだ。それは本作『エリザベスタウン』でも言われている。決めのセリフが冴えない。応援のしがいがない。イケメンへの嫉妬がそうさせるのか、あるいは、一部の熱狂的ファンがブルームを過大評価しているのか。その答えは次回作に問いたい。
一方キルステン・ダンスト。こちらは『スパイダーマン』のヒロインに抜擢されたとき、なぜあんなブサイクがと思った人も多いだろう。しかし『スパイダーマン2』の頃になって、ぽっこり盛り上がった頬骨、いたずらっぽく窪んだ瞳、猫背気味の貧相な背中に慣れてしまうと、その微妙な可愛さがむしろ後を引くことに気付く。本作では、客にいきなりなれなれしく話しかけてきたあげく電話番号を渡してくれる、ありがたい、いや、ありえないスチュワーデス役で登場するが、ダンストが演じると、そんな人もいるのか、いや、いて欲しいと強引に納得させられてしまう。
ダンストにあって、ブルームにないもの。それはアクの強さだ。アクこそ耽溺の根源だ。ジュリア・ロバーツはあごがしゃくれているし、キャメロン・ディアスは目が離れている。どこかブサイクな女優ほど大成する。『エリザベスタウン』はそういった意味で、明日の大女優ダンスト・ワールドを堪能するに見どころ十分の作品なんです。
評論家の評価:C
観客の評価:B
筆者の評価:C
日本でのヒット性:C
それでもオーリーのファンはうっとり観るんでしょうな。
文:森マサフミ