|
米Exhibitor Relations社
ジャンル:アクション/スリラー
キャスト:ジョディー・フォスター、ピーター・サースガード、エリカ・クリステンセン、ショーン・ビーン
監督:ロベルト・シュベンケ
脚本:ピーター・ダウリング、テリー・ヘインズ、ビリー・レイ
製作:ブライアン・グレイザー、ロバート・ディノッツイ
配給:ブエナビスタ
全米公開:2005年9月23日/日本公開:2006年1月
上映時間:93分
MPAAレイティング: PG-13
6歳の娘ジュリアを連れてニューヨーク行きの旅客機に乗り込んだ航空エンジニアのカイル(ジョディー・フォスター)。離陸直後、ジュリアが忽然と姿を消してしまう。乗務員、乗客を巻き込みながら必死で娘を探し回るカイル。しかし娘の影さえも見つからない。やがてジュリアの搭乗記録がない事が明らかになり、すべてはカイルの妄想にされてしまう。誰の協力も得られぬまま、カイルの孤独な戦いが始まった…。
恋人や子供が突如行方不明になる、というのはスリラーの定石のひとつだが、舞台が完全密閉された飛行中の旅客機、というのはなかなか魅力的な設定だ。人間が失踪するにはあまりに狭い空間。しかしいくら捜しても子供はどこにも居ない。そんな馬鹿な、絶対どこかに居るはずだ…。観客はすっかり主人公に感情移入してしまい、物語に没入することになる。やがて、子供の搭乗記録が見つからず、すべてはカイルの妄想ではないかと疑われるあたりから、テンションは一気にピークに達する。ここまでの引っ張りは本当にお見事、さすがドイツの俊才シュペンケという感じなのだが、ここから後がちょっとツライのだ。
スリラーの原典、ヒッチコックの作品を引くまでもなく、良いサスペンスには良いプロットが不可欠である。観客をうならせる鋭い“捻り”があってはじめて名作と言うにふさわしい作品になるのだが、「フライトプラン」はその辺がちょっと弱い。ネタばれになるので詳しくは書かないが、終盤の展開に脚本家の強引さを感じるのは筆者だけではないだろう。鮮やかな緊張感とともに離陸した「フライトプラン」は結末近くで鋭い落ちもなく失速してしまう。
とはいえ、2週連続で興行成績1位をキープした作品だけに、それなりに見せるスリラーに仕上がっている。何より、終始眉間にシワを寄せ、他人の迷惑も顧みず、時に飛行機を破壊してまで娘を探し回るジョディー・フォスターの迫力は必見。まさに鬼気迫る演技である。ピーター・サースガード演じる沈着冷静な保安員、ジョディーのド迫力に気おされながらもあくまでジェントルな機長ショーン・ビーン等、脇もしっかり固まっている。これでもうちょっとフライトプランを練り上げてあれば申し分なかったのだが…。
評論家の評価:B‐
観客の評価:B-
筆者の評価:B-
日本でのヒット性:B
本作ではある意味敵役として描かれているスチュワーデス。全米スチュワーデス協会は、「劇中のスチュワーデスは、非協力的で冷たい人間に描かれている。私たちは乗客の生命を守るために命をかけているのに…」と怒り心頭、全米のスチュワーデスたちにボイコットを呼びかけた。製作元のタッチトーンピクチャーは、「物語の設定としてああいう形でスチュワーデスを描いただけで悪意はない」と平謝り。
文:岩下慶一