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北米映画興行ランキング(8月5日〜8月7日)

順位 前週 タイトル(配給会社)
邦題
3日間の
興行収入
1 - The Dukes of Hazzard (Warner Bros. Pictures)
The Dukes of Hazzard
3060万ドル
2 1 Wedding Crashers (New Line Cinema)
Wedding Crashers
1650万ドル
3 2 Charlie and the Chocolate Factory (Warner Bros. Pictures)
チャーリーとチョコレート工場
1060万ドル
4 3 Sky High (Walt Disney Pictures)
Sky High
910万ドル
5 5 Must Love Dogs (Warner Bros. Pictures)
Must Love Dogs
740万ドル
6 10 March of the Penguins (Warner Independent Pictures)
皇帝ペンギン
710万ドル
7 4 Stealth (Columbia Pictures)
ステルス
580万ドル
8 6 Fantastic Four (Twentieth Century Fox)
ファンタスティック・フォー
410万ドル
9 9 War of the Worlds (Paramount Pictures)
宇宙戦争
360万ドル
10 7 The Island (Dreamworks SKG)
アイランド
310万ドル

米Exhibitor Relations社

 

今週リリースの注目作品

『BROKEN FLOWERS/ブロークン・フラワーズ(原題)』

ジャンル:コメディー
キャスト:ビル・マーレイ、ジェフリー・ライト、シャロン・ストーン、ジェシカ・ラング
監督/脚本:ジム・ジャームッシュ
配給:フォーカス・フィーチャーズ
全米公開:2005年8月5日/日本公開:2006年春
上映時間:105分
MPAAレイティング:R

あらすじ:

独身主義の漁色家ドン・ジョンストン(マーレイ)は、盛りを過ぎくたびれた中年男になりつつあった。おりしも恋人が出て行ったばかりのところへ、差出人不明のピンクの手紙が届く。便箋には、あなたとの間に19歳になる息子がいる・・・最近家出をした・・・父親を探しにいったようなのでお知らせします・・・という内容がタイプされていた。いたずらかもしれないと疑うドンだが、探偵気取りの隣人ウィンストン(ライト)にそそのかされ、手紙の主を確かめるべく、かつての恋人たちを訪ねる旅に出かける・・・。

解説:

生涯一インディペンデント、ジム・ジャームッシュ監督(『ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984)』『ナイト・オン・ザ・プラネット(1991)』)も、最近は短編づいてファンをやきもきさせたところで、久しぶりにこれぞジャームッシュというストレートがズドンときた。いや、ジャームッシュの場合、スローボールといった方が的確かもしれない。ともかく2005年のカンヌ国際映画祭、審査員特別グランプリ(2着に相当)受賞というおまけ付だ。

主演は、ソフィア・コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション(2003)』で哀愁を帯びた中年男役がはまり、名優としての肩書きをゆるぎないものとしたビル・マーレイ(『ゴースト・バスターズ(1984)』『チャーリーズ・エンジェル(2000)』)。マーレイのしょぼくれた芸風といい、作品のオフビート加減といい、本作『ブロークン・フラワーズ』は、まったく『ロスト~』の続編に見えてしまう。ジャームッシュのコアファンには怒られそうだが、一般のお客さんにはそのくらいにとっつき易い作品ということだ。

監督ジャームッシュと役者マーレイは、2003年リリースされた短編集『コーヒー&シガレッツ』でひと仕事終え、またのコラボレーションを期待しあう。2004年春には、ジャームッシュがマーレイ主演を見据え、年老いたドン・ファンを主人公にした脚本を書く。マーレイがこれを気に入って、その秋には7週間あまりの撮影が行われる。そして翌年5月にはカンヌで発表。何とあっさり作られたものだ。推定制作費1千万ドル(大半は役者のギャラに違いない)。ファイナルカットは監督におまかせ。作家本来のクリエイティヴィティーを損ねないフットワークの軽さは、インディペンデント系の醍醐味だ。

内容はあらすじの通りいたってシンプル。「なんで息子が訪ねて来るのを自宅で待たないんだ」という野暮な議論はさておき、主人公ドンは、かつての恋人たちに会うため、どことも言えないアメリカ郊外へ飛行機、レンタカー、モーテル泊まりのいかにもアメリカらしい旅に出る。そこに待ち受けるわけありの元恋人は、シャロン・ストーン、ジェシカ・ラングといったおなじみの熟女優たち。ほとんどのシーンは、言葉少ないビル・マーレイの軽妙な芝居で占められる。マーレイという真鯛をジャームッシュがさっとさばいてお造りにした。そんな究極の懐石料理みたいな作品だ。ハリウッドの脂ぎったステーキに飽きたら、こんなさっぱりした映画もいいもんです。

評論家の評価:B+
観客の評価:B+
筆者の評価:B
日本でのヒット性:A

ジャームッシュ信者のみならず、『ロスト・イン・トランスレーション』に食いついた人たちが観にいくはず。

文:森マサフミ