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北米映画興行ランキング(7月1日〜7月4日)

順位 前週 タイトル(配給会社)
邦題
3日間の
興行収入
1 - War of the Worlds (Paramount Pictures)
宇宙戦争
7760万ドル
2 1 Batman Begins (Warner Bros.)
バットマン ビギンズ
1870万ドル
3 3 Mr. & Mrs. Smith (Twentieth Century Fox)
Mr.&Mrs.スミス
1270万ドル
4 2 Bewitched (Columbia Pictures)
Bewitched
1080万ドル
5 4 Herbie: Fully Loaded (Walt Disney Pictures)
Herbie: Fully Loaded
1050万ドル
6 6 Madagascar (Dreamworks SKG)
マダガスカル
700万ドル
7 - Rebound(20th Century Fox)
Rebound
600万ドル
8 7 Star Wars: Episode III - Revenge of the Sith(Twentieth Century Fox)
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
500万ドル
9 8 The Longest Yard (Paramount Pictures)
The Longest Yard
350万ドル
10 5 George A. Romero's Land of the Dead (Universal Pictures)
Land of the Dead
320万ドル

米Exhibitor Relations社

 

今週リリースの注目作品

『WAR OF THE WORLDS/宇宙戦争』

ジャンル:SF、アクション、ドラマ
キャスト:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ティム・ロビンス、ジャスティン・チャットウイン、ミランダ・オットー
原作:H・G・ウエルズ
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:デヴィッド・コープ、ジョシュ・フリードマン
配給:パラマウント
全米公開:2005年6月29日/日本公開:2005年6月29日
上映時間:114分
MPAAレイティング:PG-13

あらすじ:

アメリカ東部のとある街。妻と別れ、男手一つで息子と娘を育てるレイ(トム・クルーズ)。
子供たちを心から愛するレイだったが、離婚家庭にありがちな不安定な親子関係に悩まされてもいた。そんな家族の日常を、とてつもない大異変が襲う。宇宙人による地球侵略が始まったのだ。地底から巨大な姿を現した侵略用ロボット“トライポッド”に、虫けらのように踏み潰されていく人間たち。レイと2人の子供たちの、“生存”を賭けた命がけの旅が始まった。

解説:

月世界旅行、タイムマシン、来るべき世界…今世紀初頭、SFというジャンルを殆ど一人で築き上げた巨匠H・G・ウエルズの原作を、これまた数々のアイコン的SF大作を世に送った天才スピルバーグが映画化したとなれば、期待が高まるのも無理はない。これ以上強力なSFタッグはありえないのだから。

スピルバーグのSF作品の見所は、最新技術を駆使した驚くべき映像。「未知との遭遇」では常識外れの巨費を投じて圧倒的な映像美を作り上げたし、「ジュラシック・パーク」では、最新のCGを駆使して観客に“本物のステゴザウルス”を見せてくれた。“宇宙戦争”でも、人間を襲う侵略ロボットを大規模なスケールで描いてはいるのだが、「デイ・アフター・トゥモロー」をはじめとする最近の大作を見慣れた目には、特に圧倒される感じはない。登場する宇宙人も、かつてスピルバーグ作品に登場したロボットやモンスターの焼き直しのようなものばかり。CG技術ももはや行き着くところまで行き、それだけで作品を成立させるのは難しくなってしまった。スピルバーグの特質であった“驚愕映像”は、ここに来て時代に追いつかれてしまったのかもしれない。

もっとも、“宇宙戦争”のテーマは、スピルバーグ自身もインタビューで語っているように、特撮によるスペクタクルの部分ではなく、極限状態に置かれた家族愛、人間愛なのだろう。主人公と子供たちの、父子家庭という不安定な結びつきが生命の危機を通して更に変化していく様はかなり時間をかけて描かれているし、安直なヒューマンドラマにならない工夫も(特にティム・ロビンスの登場するシークエンスにおいて)凝らされている。主体はあくまで人間たち、というのは分かるのだが、それも正直言ってピンとこない。家族を守るために他人を犠牲にする、という重いテーマを、流れの中でかなりあっさりと描いてしまったのも納得がいかないし、あっけない幕切れの後の予定調和的な家族愛の表現も今ひとつ。

これは勝手な想像だが、この映画を製作中のスピルバーグの頭にあったのは、ホロコーストの恐怖と、それに翻弄されながらも必死に生きる人間たちではないだろうか。ユダヤ人である彼が、虫けらのごとくトライポッドに噛み砕かれる人間たちと、ガス室で殺された同胞とを重ね合わせなかった筈がない。そう考えると“宇宙戦争”はほんの小手調べ、序章にすぎないのかもしれない。稀代の天才スピルバーグがその才能をすべて注入した、殺戮の究極の恐怖と、それと戦う人間たちへの賛歌をいつか是非見てみたい。スピルバーグは必ずやるだろう。そしてそれは、今までのどの作品も寄せ付けない、歴史に残る映画になるに違いない。

評論家の評価:B
観客の評価:B
筆者の評価:B
日本でのヒット性:A

ていうか、日本ではすでにヒットしている。やはりスピルバーグブランドは強いです。

文:岩下慶一