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米Exhibitor Relations社
ジャンル:アクション、犯罪ドラマ、スリラー
キャスト:ブルース・ウイリス、ミッキー・ローク、ジェシカ・アルバ、クライブ・オーウェン、ベニチオ・デルトロ 他
監督:フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス
原作・脚本:フランク・ミラー
配給:ディメンションフィルム
全米公開:2005年4月3日/日本公開:未定
上映時間:126分
MPAAレイティング:R
暴力、窃盗、売春、権力の腐敗、あらゆる悪がはびこる犯罪都市シン・シティー。物語はこの街に生きる3人の男を主人公に、オムニバス形式で展開していく。
男その1、引退間近な警官ハーティガン(ブルース・ウイリス)。人質の女の子を救うため、心臓の病を抱えながら、街を牛耳るボスの息子とその一味に勝ち目のない戦いを挑む。
男その2、並外れた腕力を持つ殺し屋マーブ(ミッキー・ローク)。一夜を共にした売春婦ゴルディー(ジェイミー・キング)が何者かに殺され復讐を誓う。相手は若い女を監禁し、その肉を食らう食人鬼ケヴィン(イライジャ・ウッド)。マーブは単身ケヴィンとその一味の住む人里離れた農場に乗り込むが…。
男その3、私立探偵のドワイト(クライブ・オーウェン)は、売春婦に絡んでいた悪徳警官ジャッキー(ベニチオ・デルトロ)を殺してしまう。事態はやがて、売春婦グループと警察という、シン・シティーを2分する巨大勢力同士の戦争に発展し…。
アメコミファンに神のごとく崇拝されるフランク・ミラーの同名コミックの映画化。しかし、ただのヒーローコミックのビジュアライゼーションだと思ったら大間違い。『シン・シティー』は、アメコミの美学を映像で表現しようと試みた壮大なる実験作、言ってみれば“映画によるアメコミ”なのだ。
ジャパニーズアニメがもてはやされる中でやや影が薄いアメリカンコミック。日本の劇画に比べれると絵は単純だしストーリーもベタ、しかしこれはこれで結構深い世界であって、アメリカでは文化として根付いている。監督のフランク・ミラーとロバート・ロドリゲスは熱狂的なアメコミマニア。コミックの世界を忠実に実写に移し替えるという無謀な試みにマジメに取り組んでいる。
この映画、描写の一部にカラーが用いられるものの、基本的には光沢のあるシュールな白黒映像。まずこの辺から製作者のこだわりがプンプンである。質の悪い紙に白黒の絵、血しぶきや口紅だけどぎつい赤というアメコミの特徴を逆手にとって独特の映像表現に昇華させた手腕はお見事。アールデコ調の不思議な摩天楼、クラシックなパトカーに乗って登場するSWAT隊員等、アメコミ独特の年代不明・荒唐無稽な要素に加え、両手両足をチョン切る過激な暴力描写、SMチックなボンデージ姿でマシンガンを乱射するセクシー美女まで、お約束は全部抑えている。時としてチープに見える特撮も、アメコミ的なポップ感覚の表現と解釈すればむしろ非常に効果的。ストーリーも単純明快、ヒーローはあくまで正義、悪役は徹底的な邪悪存在であり続ける。中でもスゴイのは悪徳警官役のデルトロだ。劇画中のカリカチュアを生身の役者が表現するのは難しい。どんな悪党でも実際の役者が演じる限り、どこか人間臭さを感じさせてしまうものだが、デルトロの場合、画質とメイク、そしてご本人の顔の造りも手伝って、“コミック的な悪の権化”になりきっている。漫画でしか表現出来ない狂気の目つきを演技で見せたデルトロ、コミックヒーローを肉体で具現化したようなブルース・ウイリス、セクシーなボディーがすでにアメコミのジェシカ・アルバ、皆さんよくぞここまでやって下さいました。オツカレサマ。
評論家の評価:☆☆☆☆(=B)
観客の評価:☆☆☆☆(=B)
Yahoo! Movies参照
日本でのヒット性:☆☆(=B-)
今までのアクション映画の枠で捉えたら、なんじゃこりゃ?と思う人も多いかも。しかし、くどいようだがこれは映画ではなく“アメコミ”なのだ。ポップカルチャー愛好家なら絶対“買い”の映画なのだが…。
文:岩下慶一