|
ジャンル:コメディー、ロマンス
キャスト:ウィル・スミス、エヴァ・メンデス、ケヴィン・ジェイムズ
監督:アンディ・テナント
製作:ウィル・スミス、ジェイムズ・ラシター、テディ・ジー
上映時間:115分
全米公開:2005年2月11日
MPAAレイティング:PG-13
配給:コロンビア・ピクチャーズ
もてない男の恋をかなえる「デート・ドクター」ことヒッチ(スミス)。その新たなクライアントは、大金持ちの社長令嬢に恋してしまったさえない会計士アルバート(ジェイムズ)。ヒッチの指導でアルバートとお目当ての令嬢が接近するにつれ、タブロイド紙のゴシップ記者サラ(メンデス)は一見不釣合いな恋愛の背後に潜むコーチの存在を探り始める。一方ヒッチは偶然知り合ったサラに好意を抱き、サラもまたヒッチの正体を知らぬままデートに応じるが・・・。
『メン・イン・ブラック(1997)』『アイ・ロボット(2004)』とSFアクションのイメージが強いウィル・スミスが珍しくロマンティック・コメディー挑戦。相手役は、『ワイルド・スピード×2(2003)』『ふたりにクギづけ(2003)』で頭角を現し、ラテン系のエキゾチックな風貌が印象的なエヴァ・メンデス。この週は、他にくまのプーさんのアニメ(『Pooh's Heffalump Movie』)くらいしかリリースがなかったことも幸いして、週末の興行収入4,530万ドルでぶっちぎりの1位を獲得した。
「始めは聞き役にまわれ」「最初のキスが勝負どころ」など、スミス演じるヒッチのデート指南は「あるある」的ウンチクに溢れていて説得力がある。見かけに恵まれず自分の良さをアピールできない男性に対しては、他人に見えるあなたは「氷山の一角」、水中に沈んだ残り90パーセントにこそ真の男らしさがあると諭す。反面、ただ女性と寝たいだけという不純な依頼は受けない。あくまで本気の恋を叶えるために仕事をする。それがヒッチのミッションだ。カッコイイ!
そんな大義名分があるから、観客はさえないアルバートを応援したくなるし、ヒッチをヒーロー視したくなる。それでいて自分がサラとデートするときは、ズッコケの一面(魚介アレルギーで顔が腫れちゃうなど予告編参照)で人間臭さも見せる。ただのコメディーに終わらせず、「人生に大切なものは何?」とさりげなく問いかけるようなプロットを作ってしまうハリウッド映画はエライ!だからこそ、これだけの興行成績が上げられるのだ。評論家陣は何かとアート系に高いポイントをつけ、この手の映画を過小評価しがちだが、本当にクズの作品では人は観に行かない。
ウィル・スミスの存在感もさることながら、ワーカホリックで男性に縁遠いありがちな設定の女性サラを演じるエヴァ・メンデスにも注目だ。メグ・ライアン、サンドラ・ブロックらの賞味期限(失礼!)が切れつつある今、新たなロマンティック・コメディーの女王、誕生の予感がする。ちなみにラブコメの女王はオスカーに無縁でなくてはいけない。ニコール・キッドマンやレニー・ゼルウィガーは、コメディーはやるけど演技力もあってちょっと別格だ。メンデスは違う。むしろラジー賞(ワースト女優賞)を受賞する勢いがある。それでも、映画がヒットさえすれば勝ち組だ。だからポスト、サンドラ・ブロックにはエヴァ・メンデスを推薦する。
文:森マサフミ