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ラスベガスからの手紙――アメリカよ。そこをどう経営しているのか?

逆襲! 訴訟と罰金と免許剥奪

長野慶太

ラスベガス住民を震撼させたいじめ事件があった。311ボーイズという金持ち子女の高校生不良グループがパーティで暴れ、いじめのターゲットとなった生徒が重傷を負った。逃げる車に石を投げられ、石は窓ガラスを破って生徒の顔を直撃し、顔の半分が陥没したほどだ。

311とはアルファベット11番目(つまりK)が三つという意味。KKK、かつて南北戦争後に黒人を襲撃したテロリスト団体を暗に示唆するグループである。すぐに逮捕され、未成年といえども新聞にフルネームと顔写真を連日掲載され、刑罰とともに社会的制裁を受けた。

刑事裁判の一審は、予想よりも緩い刑が適用されて決着した。しかし、被告による加害者への民事裁判が始まり、いよいよ逆襲が始まると地元の注目を集めている。

暴力に関わった9人の加害者はもちろん、その両親、さらにはパーティを主催した生徒、そしてその自宅の主(親)も訴えられた。

そして実にアメリカらしいのは、パーティで飲まれたビールが犯行を凶悪なものにしたとして、未成年にビールを売ったコンビニも訴えられている。

よく、日本人観光客がアメリカのレストランで驚くのは、ビールを注文する若い客に対して店員が毅然として身分証明を求めていることだ。生年月日の欄をじっと見つめて一生懸命逆算している店員の姿は日本では見ることができない。

未成年に酒を売ることが発覚することは従業員にとっても店側にとっても罰金の対象となるだけでなく、このように訴訟の対象にされるだけにとても怖い。

未成年に販売禁止の取締りが厳しいのは酒だけではない。タバコや成人雑誌など、やはり運転免許証などの身分証明をきっちり確認される。

なかでも最も確認義務の厳しいのはカジノである。未成年(米国では多くの州で21歳未満)にカジノをさせてしまった店員とカジノ・ホテルは管理当局から膨大な罰金を課されることになる。

ラスベガスは最も厳格で、当局は時におとり捜査でカジノの運営ぶりをチェックしている。未成年のアルバイトを雇ってカジノに送り込み、それを柱の陰から眺めている。

酒もカジノもライセンスがなければ商売できない。そしてこの種のライセンスをプリバレッジライセンスという。「判決が出るまでは無罪」というのが大原則の法治社会にあって、「逮捕」があっただけでも行政が強権を執行してすぐ取り消すことができるライセンスである。

やるときは徹底してやる、それが米国流ということだ。

ビジネス誌「財界」連載中
4/5/2005号より転載
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筆者:長野慶太
対米進出コンサルタント。ラスベガス在住。ネバダ・ジャパン・コンファレンス(www.usjapan21.com)社長。1965年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、三井銀行入社。ラスベガスの法律事務所Woods & Erickson勤務ののち、起業。大石&荻原 国際会計事務所社長。講演多数。近著に「ラスベガス 黄金の集客力」 (ダイヤモンド社刊)等がある。