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ラスベガスからの手紙――アメリカよ。そこをどう経営しているのか?
三ヶ月で50%高騰。日本ではそれをバブルと呼ぶ
長野慶太
筆者のラスベガスの自宅が一年で倍に値上がりした。迷惑千万である。
買い替えるつもりだったもう少し大きい家もやはり高くなり、夢が遠のいただけだ。固定資産税の通知も今から怖い。
ラスベガスの最近の四半期では、中間値の家が50%の値上がりを実現している。もちろん、全米でダントツ一位である。二位の都市(フロリダ)にもわざわざ足を運んだが、過熱度は違う。
バブル時代に融資マンをしていた筆者は、ついついあのころと比べてしまう。
話を居住用不動産のバブルに限定した場合、日本とアメリカの不動産バブルの違いは「土地」だ。日本の銀行は不動産を担保にとって融資をする時、建物は普通ゼロ評価をする。建物の評価額を担保価格に算入しようと思ったら鑑定士の鑑定評価を求める。
一方で、アメリカでは土地は建物の付属のようなもので、建物そのもののマーケットプライスが評価額の根拠となる。
すると理論的には、日本の担保評価事情に比べて、建物がないと評価が難しいアメリカでは建物=実需ベースという意味で融資マネーの流入度(バブル度合い)が薄くなるはずといえる。
ところが、全米一のリゾート地、ラスベガスでは近年、リゾートマンションやその持ち分所有型リゾート会員権(タイムシェアと呼ぶ)が建設・販売されてからその流れが変わった。これを後押ししたのはホテルの高級化である。所有した方が(場合によっては複数の世帯で)、ホテルに泊まるよりも安くつくという計算からニーズが生まれ、それを見越した投資需要が高まった。
確かにラスベガスは全米一の人口増加率の都市だし、年間3500万人の観光客もずっと右肩上がりだ。しかし、どんな都市でも四半期で50%も実需が上がるという土地はありえない。あきらかに投資が投資を呼んでいる。
家の持ち主は、筆者のように買い替えができなくなった。その代わり、使途自由の住宅担保ローンでお金を借りて消費を楽しんでいる。
結果として、ラスベガス住民は借金にかなり依存した消費が増えている。マイカーも高級化した。クリスマスの商戦は史上最大の盛り上がりで、「試合終了後」のはずのクリスマスイブの商店街に渋滞ができるという珍しい光景を見せた。
実は、日本のバブル破綻の事情にアメリカのエコノミストはとても詳しい。借金依存型消費を警告するむきも多い。しかし警告は消費マインドに対してほぼ無力に見える。
国を問わず、バブルの正体とは「消費の快楽」ではないかと思わせる。
ビジネス誌「財界」連載中
3/8/2005号より転載
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筆者:長野慶太
対米進出コンサルタント。ラスベガス在住。ネバダ・ジャパン・コンファレンス(www.usjapan21.com)社長。1965年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、三井銀行入社。ラスベガスの法律事務所Woods
& Erickson勤務ののち、起業。大石&荻原 国際会計事務所社長。講演多数。近著に「ラスベガス 黄金の集客力」 (ダイヤモンド社刊)等がある。
