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<title>逆説的経済ウォッチ</title>
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世界の日本語ジャーナリストを結ぶパワー・ネットワーク<br />
日本初の執筆・編集NPO法人（特定非営利活動法人）<br />]]></description>
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<title>「人口減少でも繁栄」論のウソ</title>
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<description>　日本の総人口（日本人に住む日本人と外国人）が減少に転じた。2005年10月１日の国勢調査（速報値）によると、日本の総人口は１億2775万人。1920年に調査を始めて以来、初めて前年を下回った。政府の予測より２年早く、世界の先進国で史上初めて、少子高齢化による継続的な人口減少時代に突入した。 　国立社会保障・人口問題研究所はこれまで人口減少のペースを「2050年には約１億人」と推計していたが、これは日本人女性１人が産む子どもの平均数を示す合計特殊出生率が2007年に1.30台で底を打ち、長期的には1.39で安定するというのが前提。2005年の合計特殊出生率は1.26以下になるとの見方もあり、人口減少のペースはさらに進みそうだ。 　私は2003年に書いたレポート「2006年問題の衝撃㊤㊦」（グローバルビジネスリサーチセンター）の中で、人口減少がもたらす経済・社会への影響は甚大であり、迅速で複合的な政策が必要と書いた。 　特にサービス業やメディア産業、教育、運輸など内需依存型産業には、継続的な需要減がボディーブローのように響く。輸出ができない企業ほど影響は深刻だ。さらには、企業業績は右肩下がりが基調になり、景気の拡大と後退が交互に訪れる「循環」さえ危うくなる可能性も否定できない。 　レポートでは、出生率向上のために未就学児童の医療費・教育費負担をゼロにする「子ども公共投資」のほか、優秀な人材を取り込むための「選択的移民制度」なども提案した。 　だが、マスコミや学者の間では「楽観論」が圧倒的に多い。2005年12月31日付け週刊ダイヤモンドの「人口減少が続く社会になっても２％の経済成長は可能だ」（東京大学大学院経済学研究科の吉川洋教授）などはその典型で、労働生産性の向上や人的資本の活用で克服できると論じている。 　こうした楽観論にはなんの根拠もない。企業はすでにグローバル競争のなかで労働生産性を上げる努力を続けている。人口減少時代に入ったからといって急に労働生産性が高まることはあり得ない。国民の高齢化はさらに進む。「これまで以上の労働生産性の向上」とは絵に描いたモチに過ぎない。 　高齢者の活用を提案する論も非常に多いが、その多くは高齢者自身からのものだ。高齢者がいつまでも企業や組織の最前線にとどまり続ける状況は、若い世代の台頭を阻害し、社会の活力を損なう恐れもある。 　一方、40歳代以下の世代は、人口減少時代について、より真剣に危機感を持つ人が多いようだ。移民の受け入れなど積極的な人口減少の歯止めに対して肯定的な意見が多い。そもそも、少子高齢化によって人口が継続的に減少するのは日本が世界の歴史の中で初めてだ。「実は誰も予測できない」というのが大前提で、「恐れるに足らず」と言い切ってしまうのは無責任でしかない。 　日本のメディアや経済学者たちが頼りにしてきた米国の経済学界は、人口減少論の研究が遅れている。移民による人口増加が確実に見込める米国では、人口減少論の研究の必要がないからだ。 　海図なき人口減少時代の日本は、「イデオロギー対立の時代」から「世代対立の時代」に突入するのではないか。1960年生まれ以降の世代は、年金を納めた額より受給額が目減りし、59年生まれ以前は受給額の方が多い。ここに決定的な分水嶺がある。 　若い世代としては「選択的移民制度」など、人口減少に対する抜本策を真剣に考えていきたい。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2006-01-01T03:21:05+09:00</dc:date>
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<title>正しいLOHAS　怪しいLOHAS</title>
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<description>　先週発売の週刊東洋経済（05年10月１日号）で、「新しい消費者はここにいる／勃興！LOHASビジネス」と題して特集を組んだ。実はこの見出しは編集部に付けて頂いたもので、私が原稿を出した時には別の仮見出しが付いていた。 　それが「正しいLOHAS 怪しいLOHAS」である。 　私は昨年７月、このブログで「LOHASを知っていますか」というコラムを書いた。健康と地球環境と気を配る新しいライフスタイルとして紹介、LOHAS的な企業としてパタゴニア（米カリフォルニア州）やインターフェイス（ジョージア州）、ストーニー・フィールドファーム社（ニューハンプシャー州）などを取り上げた。 　そのパタゴニアのイヴォン・シュイナード創業者が来日し、時間をくれるというので５年ぶりにインタビューすることになった。その様子も特集の中で紹介しているが、冒頭で衝撃的な言葉が出てきた。 　「パタゴニアはLOHASと関係ない。多くの人たちがLOHASに乗ろうとしているが、その一部は必ずしも真剣ではないと思う。LOHASは単なるマーケティング用語だ」 　彼の言葉が、最近、私がLOHASに対して漠然と抱いていた疑問を一気に確信に変えてくれた。 　私が最初にLOHASを疑問に思ったのは、2006年２月に開港する神戸空港だ。神戸空港ターミナル株式会社が昨年発表したコンセプト概要では「健康と環境を意識した賑わい施設」を目指すとして、「ロハスエアターミナル」を名乗っていた。だが、神戸空港はその必要性の有無をふくめ、巨額の公費投入、環境への悪影響を巡って地元で大きな反対運動があったことはよく知られている。そもそも海を埋め立てて作った空港のどこかLOHASなのか、ちょっと違うのではないか、と感じていた。 　取材を進めるに連れ、LOHASを巡る商標ビジネスの動きも加速していたことが分かった。三井物産とトド・プレス社が事業提携し、両社で商標登録の45区分のうち衣食住に渡る41区分を押さえ、近く独占的にビジネスを始めるというのだ。これを聞いて、「NPO」を商標登録した角川書店を思い出した。同社はその後、NPO関係者からの反発があまりにも大きかったため、商標登録を取り下げた経緯がある。 　自分の健康と地球環境に配慮するというLOHASの精神は素晴らしいと思う。だが、一部の表層的な動きがLOHASの価値を損なうとすれば、悲しいことである。「単なるマーケティング用語」にとどまらず、ライフスタイルや消費のあり方を根本から見つめ直すきっかけにLOHASがなってくれることを願ってやまない。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2005-10-01T16:56:53+09:00</dc:date>
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<title>経営者に「私財提供」させるのは日本だけ</title>
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<description>ダイエー創業者の中内功氏（82）がダイエー本体・関連会社の株式や自宅など全資産を売却することになった。総額は200億—300億円に上る見込みだ。中内氏個人や資産管理会社は売却額を上回る負債を抱えており、その弁済に充てるという。 日本では、特に創業者やカリスマ経営者が企業を破綻（はたん）させた場合、「私財提供」を求められるケースが多い。2000年に破綻したセゾングループの不動産開発会社「西洋環境開発」（東京）のケースでは、グループ創業者の堤清二氏が私財約100億円を提供した。ゲーム大手セガの故大川功・元社長も、再建のため私財約780億円を贈与した。 こうした私財提供に対して、日本では「当然」と見る向きが多い。「経営者に蓄財があるなら負債の返済に充ててしかるべき」「経営難を招いた責任者が豪邸に住んでいたのでは示しがつかない」「（産業再生機構の支援などで）国民の血税を投入するのなら、私財提供は仕方ない」——などの意見をよく目にする。 中内氏のケースでは、田園調布（東京都大田区）や六麓荘町（兵庫県芦屋市）にある自宅を大々的に写真で紹介した上で「会社を潰したのだから豪邸を取り上げられても当然」と庶民感覚をくすぐる記事が目立った。 だが、「私財提供」して経営責任を取る手法は、日本だけのものである。 例えばアメリカ会社法は「株式会社の中核概念」を次のように規定している。 （１）株主の個人財産と企業財産を区別するための独立した法人格 （２）株主・経営者の有限責任 （３）株主出資の小口化 （４）取締役会組織にもとづく経営委任 （５）株式譲渡の自由 つまり、株主は出資した分だけ、経営者は委任された業務の範囲内でのみ責任を取る。私財を提供することはあり得ない。経営の手法が違法であったなら、刑事訴追や行政罰、あるいは株主代表訴訟で決着をつけるのが本筋だろう。 根拠があいまいなまま、あくまで「自主的に」私財を提供させる。提供する方もそれを潔しとする。これでは、現代の「切腹」に過ぎない。なにより、こうした理不尽な「切腹」が横行すれば、次代の起業家たちが二の足を踏む。 米フォーブス誌は、仏ビベンディを経営難に陥れたメシエ元会長が最近、ニューヨークでＭ＆Ａ（企業の合併・買収）専門会社を興したと報じた。メシエ氏は米仏の司法当局から粉飾決算の罪で起訴され、日本円換算で億単位の罰金を支払った。メシエ氏が法的な責任を取った上で第二の起業に踏み出せたのも、不当な私財提供を求められなかったからだ。 2002年版の中小企業白書によると、米国で破産した経営者の47％が再び会社を立ち上げ、経営者として復帰しているのに対して、日本では13％にすぎない。一度失敗した経営者が立ち直るのことがいかに難しいか分かる。 企業への貸し付けで創業者に債務保証や担保入れを求める銀行にも問題があるが、経営責任と私財提供を安易に結びつける風潮を改めない限り、この国の資本主義は健全にならない。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2004-12-23T00:53:00+09:00</dc:date>
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<title>揺れるプロ野球、本当の原因は『人口問題』</title>
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<description>日本のプロ野球が揺れている。近鉄がオリックスブルーウェーブへの合併を申し入れると同時に他球団の合併観測や１リーグ化論争が巻き起こり、いまだ収束の兆しを見せていない。プロ野球の再建に向けてはさまざまな議論が起きているが、この問題を「人口問題」から捉えるとそのインパクトの大きさが見えてくる。 近鉄は大阪、京都、名古屋という大都市や奈良や伊勢志摩（三重県）などの有名観光地を結び、戦後一貫して最長の営業キロを誇る「日本最大の私鉄」だった。だがその旅客輸送人員は92年３月期の８億600万人をピークに減少の一途をたどっている。 その原因は少子化による通学生の漸減と、景気低迷による通勤者や観光客の減少だ。だがこれは近鉄の経営だけが悪かったからではない。社団法人日本民営鉄道協会に加盟する16社の合計輸送人員は、ピーク時の1991年（104億人）から「右肩下がり」を続け、2002年に93億人にまで落ち込んだ。ある意味では、近鉄のプロ野球撤退は当然の経営判断だったとさえ言える。 日本の人口は2005年か2006年に減少に転じる。少子化という、戦争や疫病以外の原因で減少に転じるのは世界の先進国では初めてのことだ。人口減少はその国の経済に大きな影響を与えるが、最も厳しい局面を迎えるのが「内需依存型」企業だ。 自動車や電機など輸出ができる産業は、輸出増に活路を見出せる。だが、鉄道、エネルギー、建設、小売、食品、外食など内需依存型企業は、日本の人口が減り始めると、右肩下がりの経営が大前提になってくる。最近、牛角やダンキンドーナツなど国内の有力外食企業が海外展開を相次いで打ち出したのも国内市場に依存していては企業の成長はないと判断したからだ。 鉄道事業は輸出ができない。この10年の景気低迷と少子化で輸送人員が２割近く減ったのに続き、これから人口が減少に転じるとなるとなると、今後の鉄道経営は増収は決して容易ではない。 「輸出ができない」という点では、プロ野球も同じだ。2003年の観客動員数は2338万人で、前年比３％ほど増えたが、１試合当たり観客動員数でみると、セリーグは93年の34112人、パリーグは95年の23700人がいずれもピークで、その後一進一退だ。 プロ野球も鉄道事業も、日本の人口が減り始めるなかで企業規模を拡大することはもはや不可能だ。そうなると、１リーグ制や廃線などのダウンサイジングを甘んじて受け入れるしかない。 旧経済企画庁の「人口減少化の経済に関する研究会」が2000年にまとめた中間報告書によると、2005年から2020年までに総人口は2.8% 減り、ＧＤＰは6.7% 減る。つまり人口減少の率をＧＤＰの減少率が２倍以上上回るのだ。鉄道やプロ野球だけではなく、全国いたるところ、あらゆる業界で同様の危機が待っている。 今後あちこちで起きるダウンサイジング現象を受け入れるか。もしくは外国人労働者や移民を受け入れて国内の経済規模を保つか。国民一人一人がわが身のこととして考えることが必要である。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2004-09-04T00:51:09+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.ufpress.jp/blog/business-watch/archives/000138.html">
<title>ＬＯＨＡＳを知っていますか?</title>
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<description>　最近、ＬＯＨＡＳという言葉をよく耳にする。ライフスタイル・オブ・ヘルス・アンド・サスティナビリティの略語で、自分の健康と地球環境を大事にする生き方のことだ。もちろんエコロジーやスローライフ的な考えと非常に近い。もともとは1998年、アメリカの社会学者ポール・レイ氏と心理学者シェリー・アンダーセン氏が全米15万人を対象にした価値観調査で、「信心深い保守派」「民主主義と科学技術を信奉する現代主義者」に続く「第３の社会集団」として認知されたのが始まりだ。 　レイ氏の調査によるとＬＯＨＡＳ人口はすでに米国成人の29％（5000万人）、ＥＵ諸国内で9000万人いるとされ、世界のＬＯＨＡＳ市場は実に5,400億ドル（約60兆円）以上という。日本でも ＦＭ局のＪ?ＷＡＶＥが毎朝平日の朝に「ＬＯＨＡＳモーニング」という帯番組をスタートさせたほか、雑誌「ソトコト」でも３月にＬＯＨＡＳ特集が組まれた。 　米国で代表的なＬＯＨＡＳ企業とされているのはジョージア州のインターフェイス社だ。オフィス用カーペットを再利用する画期的な技術を開発し、販売ではなくリース方式を採り入れた。地球環境に敏感な法人ユーザーの間で評判を呼び、現在、カーペット会社としては売上高世界一にまで成長したという。 　ニューハンプシャー州のストーニーフィールド・ファームも面白い。牛乳、アイスクリームなど乳製品を扱うが、合成保存料、着色料なしのオーガニック製品しか販売しない。アウトドアウェアのパタゴニアもＬＯＨＡＳ的だ。自然光を取り入れ、照明のための電力使用を抑えた、地球に優しい店舗。気温の低い夜間に外気を取り入れ、昼間の冷房費を抑えた物流センターも有名だ。この２社は毎年、利益の10％を環境保護団体に寄付している。 　しかしながら大手メディアは懐疑的だ。昨年10月16日付の英フィナンシャルタイムズ紙は「環境問題を意識するのと、それが実際の消費に結びつくのには大きなギャップがある」という専門家の意見を紹介。同年７月21日付のニューヨークタイムズ紙も「ＬＯＨＡＳ？新しい病気の略称？それともハワイの挨拶？」とおどけてみせたうえで、「この15年間、同じコトを聞いてきた。違うのはＬＯＨＡＳという略語ができたことだけだ」と断じた。 　だが、日本でＬＯＨＡＳ運動の先頭に立つイースクエアの木内孝会長（元三菱電機常務は、「ＬＯＨＡＳは、政府、官僚、メーカーという上からの動きではなく、生活者や消費者といった下からのベクトル」と説明する。業界団体ぐるみでやる環境保護運動は総じて硬直的で形骸化しやすい。一方で、「ＬＯＨＡＳかそうでないかということを消費の選択基準にできれば、経済社会のあり方を変えられるのではないか」と期待する。 　インターフェイスやパタゴニアは、あくまで環境に良い製品で消費者を説得し、自社製品を選んでもらうことに注力する。そして企業としても成長し、利益のなかから環境保護運動に寄付をするという経営思想だ。 　ＬＯＨＡＳは単なる「略語」としてではなく、従来型の経済社会を考え直す一つのきっかけとして見るべきではないだろうか。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2004-07-06T00:49:27+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.ufpress.jp/blog/business-watch/archives/000137.html">
<title>デフレは本当に終わるのか</title>
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<description>　デフレに収束の兆しが見えている。総務省が５月末に発表した４月の全国の消費者物価指数（2000年＝100）は生鮮食品を除いた総合で97.9となり、前年同月に比べて0.2％下落した。下落率は前月より0.1ポイント拡大したものの、前年の医療費負担増など物価押し上げ要因が消えたのにかかわらず下落が小幅にとどまったため、総務省は「デフレ圧力が徐々に弱まっている」との見方を示した。 　日銀が発表した４月の国内企業物価指数（企業間取引の価格水準、2000年平均＝100）も95.6となり、前月比では0.1％上昇、前年同月比0.5％上昇し、２カ月連続して前年を上回った。原油やゴムなど国際的な原料価格の高騰が影響したかっこうだ。 　このままデフレは収束し、インフレに向かうのだろうか。 　この問題を考えるには、デフレを広義の「ストック」と「フロー」に分けて考えなければならない。「フロー」とは消費財のことで、モノのデフレはここ10年、世界的に続いている。言うまでもなく、中国やアジア、中南米など人件費が圧倒的に低い国々からの製品輸出が世界を席巻し、先進国を中心に物価が下がり続けていることを示す。ウォルマートもユニクロも、輸入抜きでの低価格販売はあり得なかった。 　一方、「ストック」とは土地や株のことだ。株式の下落は企業の保有株式の含み損につながり、これによる特別損失はここ10年以上、企業業績の足を引っ張ってきた。日経平均株価は1989年のピークに比べるとまだ３分の１以下の水準だ。 　地価の下落も続いている。今年１月１日時点での住宅地の全国平均公示地価（国土交通省調べ）は1991年のピーク時から43％下落、商業地も67％下がった。現在の地価は住宅地で1989年、商業地はなんと1975年の水準にまで戻ってしまった。 　では今後、モノの価格と資産の価格はどのように推移するだろうか。 　モノについては、国際的な原料の高騰が中長期的に続くとは考えにくい。原油高は不安定な中東情勢など地政学的なリスクを反映したものであり、需要が戻っているわけではない。今後も第三世界からの旺盛な輸出、国際的な企業間競争という価格押し下げ要因は、原料高などの価格押し上げ要因を上回りそうだ 　資産については、株価はともかく、地価が今後上昇に転じる可能性はかなり低い。地価も需要と供給のバランスで決まる以上、2006年から日本の総人口が減少に転じるなかで、今後上昇に転じる見込みは薄い。東京都心の地価が上昇に転じているが、これはあくまで局地的な現象だ 　資産デフレが続けば、間接的に消費を低迷させる。株式投資による損失や住宅ローンの圧迫感は今後も続く。つまり、多少の波はあるとしても、今後しばらくはモノも資産も価格下落傾向は続くとみるべきだ。それを打ち破るのは、より高付加価値の製品の輸出が増え、それが労働者の所得に反映し、設備投資が増え、日本経済全体が活性化するという図式以外にはあり得ない。これには少々、時間がかかりそうだ。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2004-06-29T00:47:08+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.ufpress.jp/blog/business-watch/archives/000136.html">
<title>イヴォン・シュイナードと岩崎小彌太</title>
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<description>　イヴォン・シュイナード。高校生のころから登山やサーファーに熱中し、カリフォルニアの高校を卒業してすぐに登山用具製造の「シュイナード・イクイップメント社」を創業した。この会社は1979年に「パタゴニア」と名を変え、今では世界的なアウトドアウェアのブランドとして若者の間で高い人気を誇る。４年前に社長の座を譲ったが、66歳の今も会社の精神的な支柱として後進を指導している。 　パタゴニアは世界で初めてペットボトルから再生したフリースを販売したほか、有機コットンのシャツの販売に力を入れている。また、売上高の１％か税引き後利益の10％のうち大きい方を地球税として環境保護団体に寄付するなど、米国の「地球に優しい企業」の草分けとして知られている。 　イヴォン・シュイナードが社員に求める行動規範のなかで重要とされるのが　integrity　(誠実)という概念だ。顧客、同僚、取引先などすべてのパートナーに対して誠実さをもってあたる、というニュアンスだ。高潔とか清廉という意味もある。日本ではあまり知られていない言葉だが、最近「岩崎小弥太」（中公新書）という本を読み、同じ言葉が出てきたのに驚いた。 　岩崎小彌太は創業者彌太郎の甥にあたり、1916年（大正５）年、三菱合資会社の第４代社長に就任した。高い志と経理理念を持ち、三菱の礎を築いた人物である。小彌太の訓示を元につくられた社是「三綱領」（所期奉公、処事光明、立業貿易）は今でも三菱グループの新入社員に叩き込まれる。そして「処事光明」の訳語こそが、integrity and fairness である。 　この三綱領をまとめて２ヵ月後の1934（昭和９）年４月、小彌太は傘下の三菱造船と三菱航空機を合併して「三菱重工業」を発足させた。造船と航空機という近い業種のメーカーを合併することで技術力を向上させ、一大重工業企業を目指したほか、当時すでに三菱の伝統となっていた「縦割り意識」を排除する狙いもあったとされる。 　いまリコール隠し問題に揺れる三菱自動車や三菱ふそうは、この三菱重工の自動車製造部門が独立してできた企業である。企業の対面を保つために欠陥情報を隠し続けてきた経営陣は、このintegrity and fairness をどう読んできたのだろうか。 　80年前以上の日本企業の社是と、若者に人気がある米アウトドア企業の社是が不思議に一致する事実は、時代や洋の東西を問わない企業経営の普遍性を感じさせて興味深い。パタゴニアのイヴォンは「100年生き抜ける企業をつくりたい」と社内外で公言し、「だからこそ社員ひとりひとりの意識が大切」とintegrity の重要性を説く。岩崎彌太郎が1870（明治３）年に三菱財閥の前身、九十九商会を設立してから130年あまり過ぎた。三菱自動車の落日ぶりや三菱造船で頻発する火災事故を見るにつけ、創業者のＤＮＡを100年以上も伝え続ける難しさを再認識せざるをえない。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2004-06-21T00:44:29+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.ufpress.jp/blog/business-watch/archives/000135.html">
<title>日本語が日本を救う</title>
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<description>　いま、政治の世界では年金改革を巡る議論が伯仲している。だが、2006年から人口が永続的に漸減していく （社会保障・人口問題研究所予測）状況の中では、年金制度や国家財政の抜本的な再建は極めて難しい。 そろそろ、優秀な人材を海外から本格的に導入することを視野に入れる時期が来ているのかも知れない。 　一般的に、日本人は外国人受け入れに消極的だ。犯罪の増加や受け入れによる社会コストの増加を 懸念する声は根強い。実際、第一生命ライフデザイン研究所（当時）が2002年に実施した 「外国人労働者問題に関する意識調査」（回答564人）では、「外国人が増えると犯罪が増えたり、 スラム化したりすると思うか」との問いに対して、「そう思う」＋「まあそう思う」で66%と大半を占めた。 　だが、この調査では、実に興味深い結果も出てきた。在宅介護、家政婦、保母・保父などのサービスについて 「日本語が通じるのであれば、外国人であっても利用したい」とする答えが、いずれも80％を超えたのだ。 　これは、日本人が外国人労働者受け入れに消極的なのは「言葉の壁」が大きいことを示している。 隣に外国人が住むと「コミュニケーションできないから不安」なのであり、そこに相互不信も芽生えやすい。 だが、もし外国人が日本語を話してくれたら、隣に住む日本人の不安は大きく軽減される。 　もし仮に、高卒程度の日本語能力を取得した外国人に数年間の労働ビザを与える制度ができればどうなるか。 日本語を話せる外国人なら、地域に溶け込みやすいし、職も得やすい。なにより、日本語で 一定の学力をつけるためには、勤勉さと学習意欲の高さを求められる。これは外国人導入の「安全装置」として、 かなり重要な要素になる。 　その一方で、日本語教育市場も拡大するだろう。日本の英語教育市場は業界推計で数千億円。 日本語学習者が増えると、教師、学校、さらには新聞や雑誌など日本語メディアにも市場拡大や 雇用の波及効果が期待できる。日本語を学ぶ人が増えれば、長期的には日本ファンが育成され、外交面のメリットも考えられる。 　今まで日本人は「外国人と会話するには外国語を勉強しなければならない」と思い込んでいた。 だが、彼らに（日本では）日本語を話してもらえれば、日本人も外国人を受け入れやすい。 そして、日本語を話す外国人が数多く住み、経済や社会を活性化してくれたら、日本の未来像は 大きく変わってくるかも知れない。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2003-12-06T00:42:13+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.ufpress.jp/blog/business-watch/archives/000134.html">
<title>「右肩下がり経済」のはじまり</title>
<link>http://www.ufpress.jp/blog/business-watch/archives/000134.html</link>
<description>最近、気になる数字の発表が続いている。 日本道路公団が管理する全国の高速道路の料金収入が02年度、前年度より約247億円少ない約1兆8176億円にとどまった。 減収は98、01年度に次いで3度目だが、2年連続の減収は初めてだった（5月12日付け朝日新聞）。 NTTが5月13日に発表した2003年3月期連結決算は、売上高が前の期に比べ1％減の10兆9231億円と、 1952年に電電公社として発足して以来、初の減収となった（5月14日付け日本経済新聞）。 5月15日に出そろったJR上場3社（東日本、東海、西日本）の2003年3月期決算では、3社とも単体の鉄道収入は前年割れだった。 高速道路。電話。鉄道。この3つの業種には実は3つの共通項がある。 1つ目は、程度の違いはあるものの、ほぼ独占企業。NTTの携帯電話を除けば、同一業種内で競争原理があまり働かず、 デフレにともなう単価下落の影響が一般消費財やサービスに比べて極めて少なかったこと。にもかかわらず、売上高は落ちた。 2つ目は、「道路」と「電話」と「鉄道」は、経済を人間の体に例えると「血液」や「神経」のようなもので、 実体経済の活性度をほぼ忠実に反映していること。 3つ目は、今後の日本の人口減少にともない、収入がなだらかに右肩下がりになる可能性が大きいこと。 自動車や電機など輸出関連企業なら、国内市場が収縮しても輸出でカバーし、企業としての成長が期待できる。 だが上の3業種は極端な「内需依存型」であり、今後の大幅な売上高の増加は見込めない。株主や市場から評価されるためには、 コストダウンと経営の効率化による利益の捻出しか道はない。 国内経済の縮小はこうした内需依存型企業の経営を根本からゆさぶりかねない。 例えば高速道路では、政府の民営化推進委員会が出した試算は交通量の減少を想定しておらず、プール制や民営化の前提すら崩れる可能性が高い。 「右肩下がり」の経済が、日本にとって悪いことなのかは分からない。「人口減少もGDPの減少も、そのまま受け入れてもいいのでは」との声も少なくない。 だが、「株式市場を通じて資金を調達し、設備投資を重ねて、成長を目指す」という企業行動の原則は右肩下がりを想定していない。 日本の資本主義経済は、大きな転換点を迎えている。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2003-06-02T00:39:15+09:00</dc:date>
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<title>デフレをめぐる『3つの誤解』</title>
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<description>日本が「デフレ」から脱却する糸口がまったく見えない。4月25日に発表された3月の消費者物価で、 生鮮食品を除く総合指数は3年6ヶ月連続で下落した。名目賃金（全産業の現金給与総額）も、今年2月まで22ヶ月連続で減り続けている。 しかし「モノの値段」が下がり続けるのは単にデフレだからなのだろうか？　デフレは一般的に「 供給が需要を上回るために物価が持続的に下がり続けること」と説明される。メディアで目立つ論調としては （１）　デフレには「良いデフレ」と「悪いデフレ」がある （２）今の日本は「デフレ・スパイラル」になりかけている （３）インフレになれば景気は良くなる ??がある。果たして、そうだろうなのか？ （１）は、デフレには物価を下げて生活の質を上げるのに貢献する「良いデフレ」と、景気に悪影響を及ぼす意味での「悪いデフレ」があるという論調だ。 だがデフレに善悪はない。今の日本で起きている物価下落は、「経済のグローバル化」によってもたらされた、不可避の現象ととらえるべきだ。 世界企業はグローバル競争を勝ち抜くため、相次いで中国やアジア、中南米など労働単価が安い国々に生産拠点を移した。 中国では1980年代後半から世界企業の対中投資が始まったが、当初は稚拙だった生産技術も10数年の年月を経て飛躍的に向上し、 ここ数年で世界の工場として花開いた。これが「中国発のデフレ」と呼ばれるもので、単に日本だけの問題ではない。 「悪いデフレ」というのは、デフレ・スパイラル論と重なる。「モノの値段が下がる→企業の売上高や利益が減る→リストラで失業者が増え、 賃金も下がる→モノが売れなくなり、さらにモノの値段が下がる」という悪循環が起きているとの主張だ。 だが、「物価下落」と「企業のリストラ」は、経済のグローバル化によってもたらされた「表裏一体の存在」であって、相関関係ではない。 物価が下落するからリストラするのではなく、日本の賃金体系ではグローバル競争に勝てないからリストラするのだ。 日本企業は今後、たとえ業績がよくなったとしても、労働者の賃金をやみくもに上げる方向には動かない。 終身雇用制や年功序列賃金の崩壊がさらに進み、稼げる人とそうでない人の格差はさらに拡大していく。 そして、もう一つ、GDPの6割、約300兆円を占める個人消費が動かないのは、健保本人負担の5割増 （負担率が2割から3割へ増えたのは1割増ではなく、5割増）・増税などの負担増や、この国の将来に対する漠然とした不安が大きい。 三つ目の誤解は、「インフレになれば景気は良くなる」。インフレ・ターゲット論者の主張はこの期待に基づく。 だが、これは政策的にインフレを起こすことはできない、という意味で、誤りだ。 いくら日銀が金融緩和に動いても銀行は国債を買うばかりで、実体経済は動かない。 インフレにする手立ては一つしかない。それは「鎖国」だ。輸入を禁止するのである。 中国からの輸入ができなくなれば、ユニクロは1900円でポロシャツを売れなくなる。 製品輸入が止まれば、おそらく、一時的な禁輸措置だけでも消費者物価は3％くらい上がるだろう。 だが、残念ながら、日本は鎖国することはできない。WTO（世界貿易機構）は相互主義の立場だ。 一方的に関税を上げたり、禁輸措置を取ったりすることは許されない。つまり、日本が自由貿易立国を標ぼうしている以上、 低価格品もデフレも受け入れざるを得ない。 むしろ、デフレは物価下落（モノのデフレ）と、株や地価の下落（資産デフレ）に分けて考える必要がある。　 モノのデフレは、前述したように不可避。受け入れるしかない。一方で、資産デフレは「モノのデフレ」よりさらに深刻な影響を及ぼす。 2002年度の決算では、NECや三菱電機など、本業は好調だったのにもかかわらず、株式評価損で最終減益に陥った企業が続出した。 これ以上の株価下落は、実体経済に計り知れない影響を与える。 株価下落を克服するカギは「個人」だ。日本の株主のうち、個人の割合は約2割と、米国の4割に比べてはるかに低い。 株価の回復には、郵貯や簡易保険、国債、銀行預金が大量に抱え込んでいる「個人マネー」を税制優遇によって大量に株式市場に誘い出す政策をとる必要がある。 地価の下落は、東京や神奈川など一部地域を除いては止めようがない。地価は需要と供給のバランスで決まる。 2006年をピークに日本の人口は減少に転じる。これは需給をさらに緩ませる。そうなると地価回復には、人口を増やすしかない。 それには、乳幼児・児童の保育費・医療費の負担を大幅に軽減するなどの支援策で出生率を上げるか、 それができなければ新たな「開国」、つまり移民を入れるか、外国人労働者を増やすという思い切った措置が求められる。...</description>
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<dc:creator>森　摂</dc:creator>
<dc:date>2003-05-01T00:13:17+09:00</dc:date>
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