2005年01月24日
ブラックバスとフィリピンパブ(上)
森 摂
ブラックバスが「やり玉」にあがっている。ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、週刊新潮の連載「日本ルネッサンス」(1月20日号)で「ブラックバスが日本の魚を食い潰す勢いで全国に広がっている。明らかに密放流によるもので、明白な違法行為の結果である」と断じた。
日本経済新聞も1月20日付けの社説「ブラックバス釣りは北米で」の中で「ブラックバスは他の魚種の稚魚を丸のみにする大食漢(中略)。モロコやタナゴ、トミヨなどの小さな魚なら成魚も一口」として、より厳しい規制を求めた。
この論調が影響したのか、ブラックバスの「特定外来生物被害防止法」対象化を半年間先送りする方針だった環境省は1月21日に方針転換。この魚を指定第1陣のリストに盛り込むことを決めた。これにより、ブラックバスの移動や養殖、輸入が禁じられることになった。
メディアでは「ブラックバス悪玉論」が大半だ。だが、ブラックバスの熱烈な愛好家である友人の一人は「モロコなど在来魚種が減ったのは野放図な護岸工事など環境悪化が主因という見方もあり、ブラックバスによるものと科学的に立証された訳ではない」と反論する。
「密放流」についても「滋賀県では年間1000万円の予算を組んで、密放流パトロールを警備会社に委託しているが、今までに逮捕者は一人も出ていない」「私もここ5年ぐらいバス釣りをしてきたが、誰かがバスをどこかに放流したなんて話は聞いたこともない」と不思議がる。実際、日本のバス釣り業界の基本スタンスは「密放流禁止」で、さらに「ゾーニングによる拡散防止と特定地域での駆除協力まで呼びかけている」という。
筆者はバス釣りに賛成でも反対でもない。だが、もしジャーナリズムが「密放流」だと糾弾するなら、伝聞ではなく自分の取材で確かめた上で書くべきではなかったか、という友人の意見には耳を傾けたい。日本の在来種がブラックバスによって減っているという科学的な検証も必要だったろう。
話は全く変わるが、日本から「フィリピンパブ」が消えようとしている。法務省・東京入国管理事務所が興行ビザで来日するフィリピン人女性の在留資格審査を厳格化し、来日フィリピン人女性の多くを不法滞在扱いに変えようとしているからだ。
ブラックバスとフィリピンパブ。この二つを巡る報道にはいろいろと共通点があって面白い。それはなぜか。(以下次号)
投稿者 森 摂 : 2005年01月24日 22:24 | [EDIT]
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