2003年04月29日
アニメの覇権を握る国はどこだ
形山昌由




「インド」と「アニメーション」。この2つのキーワードを聞いてピンと来る人がいたら、相当なインド通だ。最近はアニメといったら日本、インドといったら主力産業でいえばITか映画と相場は決まっている。そこに最近はアニメが加わりそうな気配がでている。
インドの産業団体「ナショナル・アソシエーション・オブ・ソフトウエア・アンド・サービス・カンパニー」の調査報告によると、インド内のアニメーション産業は強い国際競争力を持ち、北米の映画やテレビ向けのアニメコンテンツ制作を請け負うだけの十分な能力があるという。インドの経済紙がそう伝えている。
理由は2つある。高い制作技術力と低コスト労働力だ。IT産業で名高いインドには、高度な教育を受けて英語を話すエンジニアが揃っている。そして賃金も欧米先進国に比べたら桁違いに安い。また映画産業が発達したこの国ではスタジオ設備なども整っている。
ハリウッドの映画産業などは、コスト抑制などを理由にコンテンツ制作の下請け先を海外に求めている。つまりは、アニメ産業にも3Dなどハイテクを取り込む機会が増えた現在では、人材を含めたインドのアニメ制作インフラは元請から見た場合に非常に利用価値が高く映るということだ。
アニメビジネスは日本では経済産業省などが後押しをしているようだが、うかうかはしていられない。世界のアニメマーケットは2005年に500−700億ドル規模に成長すると予測され、競争はすでに始まっている。
一方、コンテンツ自体の制作は日本が優れているようだ。アカデミー賞の長編アニメ部門を受賞した「千と千尋の神隠し」の例をあげるまでもなく、ディズニーアニメを生んだ国からの評価も高い。
4月25日からサンフランシスコで開かれていたコミックブックのカンファレンス「ワンダーコン」で、米国を代表するアニメ・漫画クリエイターの口からポンポンと飛び出してきたのは、米国人ではなく宮崎駿、手塚治といった日本を代表するクリエイターたちの名前だった。みな一様に「彼らは素晴らしい」と賞賛する。
世界のトップに踊り出た製造業とは裏腹に、「創造性に欠けてソフトウエアに弱い」と指摘されることも多い日本だが、アニメの活躍を見ていればそう弱気になることもないだろう。
投稿者 形山昌由 : 2003年04月29日 19:16 | [EDIT]
