2003年05月03日

1000対200 −ブッシュ大統領 訪シリコンバレー

形山昌由

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カリフォルニア州サンディエゴの洋上に浮かぶ軍艦からイラク戦争の終結宣言を行った翌朝、ブッシュ大統領はシリコンバレーを訪れ、戦闘用車両を開発するユナイテッド・ディフェンス・テクノロジー社を視察した。イラク戦で活躍した戦車「ブラッドリー」や、フセイン像を引き倒した際に使われた「ハーキュリーズ」を作ったのはこの会社。今回は表敬訪問が目的で、同社の従業員を前にしたスピーチで感謝の言葉を述べると、そそくさとテキサスへ戻っていった。

シリコンバレーの人々の主な関心は、改善されない失業率に向いている。ITバブルが弾けきった現在、この地の失業率は全米平均の6%よりも高い10%前後を示し、減少の糸口が見えないでいる。現在ブッシュ政権では景気への刺激を狙いに減税案を打ち出しているが、「金持ち優遇」との批判が強い上、「財政を圧迫する」ことを理由に議会からもそっぽを向かれてしまっている。

テロ対策に終われた結果、これといった景気テコ入れ策を実施できないでいるブッシュ政権に対する苛立ちは小さくない。ところがせっかくの訪問にも関わらず、産業会の現状視察や意見交換は何一つ行われなかった。

ブッシュ氏が大統領としてシリコンバレーを訪れたのはこれが2度目。クリントン前大統領がスタンフォード大学に通う愛娘のチェルシーさんに会うためとはいえ、頻繁にシリコンバレーを訪れて産業界とも密に接触を図っていた当時とは状況が大きく変わってしまった。

カリフォルニア州は民主党の地盤が強い地域。2000年の大統領選挙では、共和党のブッシュ氏はこの地で大敗を喫した。しかし有力企業が名を連ねるシリコンバレーは資金集めの地盤として重要な場所でもある。こうしたことから、今回の訪問は来年に迫った大統領選挙での再選を目指した人気取りのパフォーマンスに過ぎないと、冷ややかに見る地元の人たちは多い。

ブッシュ氏がユナイテッド社を訪問中、目と鼻の先で開かれた抗議集会には平日の朝から1000人近くが参加した。一方、反対側の沿道に星条旗を持って集まったブッシュ支援者は200人だった。

投稿者 形山昌由 : 2003年05月03日 19:05 | [EDIT]

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