2004年07月24日
「消費者」無視の球界再編劇(2)
成田好三
読売を除く阪神などセ・リーグ5球団は7月23日までに、来季の2リーグ制存続で基本合意した。しかし、阪神などが2リーグ制存続を主張するならば、本来なら、オーナー会議で近鉄とオリックスの合併を拒否、あるいは凍結を主張した上で動くということでなければ筋が通らない。
しかし、阪神などはオーナー会議で合併を事実上承認した後から、2リーグ制存続に動き出した。しかも、オーナー会議での決定事項の変更については何も語ろうとはしない。
今回の球界再編の動きでは、野球協約で球界最高の権威と権力をもつと位置づけられているコミッショナーは、まったくの「蚊帳の外」にいる。根来泰周コミッショナーは、この動きの中で右往左往するだけで、再編とそれに反対する動きに対して、自らのイニシアチブを取る姿勢をまったく示していない。
プロスポーツは、ファン(消費者)によって成り立つものである。「お題目」ではなく、ファンが直接、間接に支払う金によってリーグや球団は運営、経営されなければならないという意味である。
球団経営も本来ならば、ファンが直接支払う入場料や関連商品の売り上げ、間接的に支払う放送権料を収入の軸として、それに自治体の支援などを加えて運営されるべきものである。放送権料は、NHKなら視聴料という形で、民放ならCMに誘発された消費という形で、ファンが最終的にはその費用を負担する。
しかし、多くの球団では、親会社が巨額の球団赤字を補填することによって経営が成り立っている。こうした歪んだ構造によって、球団は消費者ではなく親会社の顔色をうかがって経営する。親会社も、球団を恣意的に扱える「道具」のように扱うことになる。
球団経営は、親会社の巨額な補填で成り立つ、自立しない、循環しないシステムになっている。まるで国の地方に対する補助事業のようなものである。国はひも付きの補助事業によって地方の自立を妨げてきた。それと同じことが球界でも行われている。
親会社の巨額な赤字補填、補助事業的経営体質を抜本的に改めない限りは、プロ野球は衰退するだけである。
投稿者 成田好三 : 2004年07月24日 02:00 | [EDIT]
