2004年02月17日
プロ野球と高校野球の「雪解け」(上)
成田好三
スポーツには本来、プロとアマを隔てる垣根はない。両者の関係に「不連続性」はないと言い換えてもいい。ある競技で特に優れていると評価され、本人も職業人としての競技者の立場を選択した選手がプロになるだけだ。
ゴルフでは、プロとアマが同一の大会に出場しても何ら問題はない。プロがアマを指導することは当然のことだ。ティーチングプロはアマを指導することで生計を立てている。多くのゴルフ大会では大会初日前にプロ・アマ戦が開催される。
ゴルフのオープン大会ではアマが優勝することさえある。最近では高校生の宮里藍選手が2003年9月、女子ツアーのミヤギテレビ杯ダンロップ女子大会で優勝した。プロとアマの違いは、賞金を受け取るか否かということだけだ。
サッカーのJリーグでは、プロとアマが同一のクラブに所属している。トップチームの選手はプロだが、高校生、中学生レベルの選手はアマである。プロとアマがクラブ内でともに練習し、アマはプロの指導を受ける。だからこそ、子どもをプロのサッカー選手にしたい親たちは、子どもをクラブに加入させる。
サッカーの天皇杯では、J1、J2、JFLから大学生、高校生(高校とクラブ)まで大会に出場する。高校生がJ2チームを破ったこともある。
大相撲では相撲部屋に大学相撲部の選手が出稽古に行き、関取の胸を借りる。そのことをおかしいとか間違いだとか批判する人はいない。
何故、こんな当たり前のことを長々と書き続けてきたのか。例外があるからだ。野球だけは、他の競技とは様相がまったく異なっている。高校生は、プロと同一の大会で競技できないばかりか、プロの指導も受けられない。
野球という最も人気のある競技を底辺で支えているのは高校生だ。高校野球で育った選手たちが大学、社会人野球に進む。そして、技術的に特に優れていると評価された選手が、高校、大学、社会人からプロになる。
しかし、プロと高校野球との関係はは40年以上にもわたって断絶状態にあった。1961年に起きた「柳川事件」以来、プロとアマは関係を絶った。シーズン中に選手をプロに引き抜かれたことが引き金になった。アマ球界はそれ以降、プロのアマ球界への受け入れを拒否した。
投稿者 成田好三 : 2004年02月17日 18:42 | [EDIT]
