2004年06月18日
小6事件を『心の闇』で終わらせてはならない(2)
成田好三
加害女児は心の内に抱いていた殺意を察知されることなく、被害女児を呼びだし、殺害した。被害女児はおそらく、ナイフで首を切りつけられるまで、加害女児の殺意を察知できなかったのだろう。そうでなければ、あんなにも深い傷を首や手に負わせることはできなかったはずである。
共同通信が6月5日に配信した、「2人でカーテン閉める 怜美さん(被害女児)直前も危険感じず」を見出しにした記事は、こう書いている。短い記事なので全文を引用する。
長崎県佐世保市の小6女児事件で、加害者の女児(11)が長崎県警佐世保署の事情聴取に対し「(被害者に)『カーテン閉めよう』と言い、(現場室内の)カーテンを2人で閉めた」と話していたことが5日、分かった。
室内では口論などはなく、御手洗怜美(さとみ)さん(12)が直前まで女児の行動を不審がったり、危険を感じたりする様子はなかったという。
女児はその直後、怜美さんをいすに座らせていきなり首を切りつけた。校舎の外から室内が見えないようにした計画性があったとみて、佐世保署は、室内の状況を詳しく調べている。調べでは、女児は給食の準備が始まった1日午後零時15分ごろ、怜美さんに「ちょっとおいで」と声を掛け、教室から約50メートル離れた学習ルームに連れ出し、すぐに「カーテン閉めよう」と言ったという。
重要なのは、記事中の「直前まで女児の行動を不審がったり、危険を感じたりする様子はなかったという。」の部分である。加害女児が、殺意をまったく気取られずに、犯行に及んだ経緯を記述した部分である。
この事件で本当に恐ろしいことは、殺意を完ぺきなまでに隠して犯行に及んだ加害女児の心の内である。超一流の暗殺者や、軍の特殊部隊のエリートが、過酷な訓練の末に人間性の喪失と引き換えに身につける能力を、11歳の加害女児はもっていたことになる。
この事件では、加害女児が抱いた心の内の徹底的な解明が必要である。こうした衝撃的で特異な事件が起こるたびにマスメディアが多用する、『心の闇』で事件を終わらせてはならない。(2004年6月18日記)
投稿者 成田好三 : 2004年06月18日 18:35 | [EDIT]
